潜在成長率

 


まずは議会予算局の潜在成長率見通しの記事を見て行きます。⬇️

画像
画像

上記から⬆️アメリカ経済の潜在成長率は

1、2008年~2023年は1.9%の成長率

2、2024年~2028年は2.2%の成長率

とあらゆる経済や市場の見通しのベースラインとなる潜在成長率が0.3%も上方修正されたのです。

上方修正された理由は移民の急増により人口増加が上方修正されたことにありますが、潜在成長率が上方修正されると、あらゆる経済や市場のベースラインが上方修正されるので株価上昇率のベースラインも上方修正されるし企業業績のベースラインも上方修正されるので非常に大きなプラスの影響が出て来ます。

潜在成長率が0.3%上方修正されたのでGDP成長率見通しも上方修正されて来ます。

潜在成長率とは経済成長率のベースラインとなるので、理論上は、この経済成長率で推移して行くことになり、上振れれば経済は過熱となり、下振れれば低迷となり、最終的には潜在成長率が実際の経済成長率となって行くとの理論となります。

潜在成長率が上方修正されると企業の設備投資計画も上方修正されます。

アメリカは経済学の国なので企業経営も設備投資計画も企業戦略も投資も教育、社会保障なども、あらゆる分野が経済学の理論をベースに決定されて行きます。

GAFAMも勿論として、その強さの根幹は経済学の理論であり、Googleの検索エンジンも経済学の理論、アップルのアプリも経済学の理論、メタのインスタグラムやフェイスブックも経済学の理論など、成功している企業は経済学の理論から生み出された経営戦略で成功しており、アメリカ社会のあらゆる分野の意思決定は経済学の理論がベースとなります。

アメリカ社会が労働生産性を非常に重要視し世界一の経済大国として君臨するのは経済学をベースにした国造りをして来たからであり、投資の世界でも誰もが当たり前に経済学を学び、世界一の投資立国を実現し、世界一の株式市場を実現しています。

で、話を戻しますが、企業の経営戦略や設備投資計画も経済学の理論がベースとなるので潜在成長率が上方修正されると設備投資計画も上方修正されて行きます。

S&P500の上昇率はざっくりと名目GDPの3倍程度となり、名目GDP成長率が4%ならS&P500の上昇率は12%くらいとなるのが最近のざっくりとした傾向となります。

潜在成長率が0.3%上方修正されると非常に単純化するとS&P500の上昇率は0.9%くらいは上方修正されるというイメージです。

毎年の利回りが0.9%上乗せされれば累積効果は大きくなるので、だったら先に投資するとなることから株価を押し上げることになります。

議会予算局が潜在成長率の上方修正を発表したのが7日となりますが、7日から9日までの3日間のS&P500やナスダックの爆上げの最大の要因では無いかと思います。

潜在成長率が上方修正されると株価見通しも上方修正されるので、早めに動いたヘッジファンドは多くいたのではと思います。

潜在成長率が上方修正されると中立金利も上方修正されます。

基本的な考え方としては

潜在成長率+予想インフレ率=中立金利

潜在成長率+物価上昇率=中立金利

となるので単純化すると潜在成長率が0.3%上方修正されると中立金利も0.3%上方修正されます。

潜在成長率が上方修正されると

経済成長率見通しも上方修正

企業業績見通しも上方修正

設備投資計画も上方修正

賃金見通しも上方修正

株価見通しも上方修正

中立金利も上方修正

などあらゆる分野の見通しが上方修正されて行きます。

私はアメリカの潜在成長率はもっと高いと言い続けて来たのですが、とりあえず0.3%の上方修正となり、一部は私の分析が的中となりました。

ただ、それでも、まだ物足りず、2.2%ではなく、3%程度まで潜在成長率は上昇していると思います。

とりあえず、ヘッジファンドや機関投資家は株価見通しを上方修正して来るので、株価上昇に弾みがつくと思います。

コメント

このブログの人気の投稿

OpenAI

設備稼働率のデータ

投資家の余剰資金

輸入物価

2024年のアメリカ市場

予想インフレ率

ナスダック100の終値

CPIの結果

CPIを季節調整した後と前