2024年のアメリカ市場

 




2024年のアメリカ経済は物価が抑制され利下げされて行くことから物価高騰と金利高騰を乗り越えた高揚感に包まれた1年になると予想しています。

1970年代、1980年代以来となる物価高騰と金利高騰を乗り越えた高揚感はアメリカ国民に自信を与え誇りを持ち、新たな時代を切り拓く強いエネルギーになって行くと思います。

細かなデータは日々の記事に譲るとしてS&P500とナスダック100の株価という視点に絞り話を進めて行きます。

アメリカ経済は極めて高い経済成長率となって行くと予想され実質経済成長率は潜在成長率の2%弱を大きく超えて3%から3.5%程度の極めて高い経済成長率を実現して行くと予想しています。

実質経済成長率が3%を超える予想とは一見すると高過ぎる予想に思えますが、実質経済成長率とは

名目経済成長率-物価上昇率=実質経済成長率

となることから物価上昇率が低下して来ると実質経済成長率は高めに出てくる性質があるのです。

直近の名目経済成長率は⬇️

画像

上記⬆️のようなデータとなっています。

コロナ禍以降の名目経済成長率は8%程度で推移しており2024年に6%程度まで落ちて来ても十分に高い経済成長率となるのです。

名目経済成長率とは総需要となることからコロナ禍以降のアメリカ経済は8%程度の総需要の増加が続いていることを意味し、総需要とは急減する性質の傾向では無いこともあり6%に低下しただけでも2%の低下となることから低めに見た確実性のある見方だと思います。

実質経済成長率を労働者総数で割ると

実質経済成長率÷労働者総数=労働者1人あたりの労働生産性

となるので

労働者×労働生産性=実質経済成長率

という関係にあることが分かります。

つまり経済が成長するとは

1、労働者が増える

2、労働生産性が向上する

3、1、2の両方

という3つのケースしか無いと分かります。

その経済成長率の源泉となる労働者と労働生産性のデータを見て行きます。⬇️

画像
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上記⬆️が労働者総数の推移と労働生産性のデータとなります。

上記から

1、労働者総数は中長期的なベースラインには戻っておらず、中長期的な労働者総数のベースラインは現時点で1億6500万人を超えており現時点の1億62000万人から300万人以上の増加余地がある

2、仮に月に15万人の雇用増加が続いてもベースラインに戻り完全雇用に戻るには20ヶ月は必要となる

3、労働生産性は過去10年で最も高い5.2%となっている

という状態となっていることから少なくとも2年程度は歴史的にも高めな経済成長率となって行くことは約束された未来と言えます。

以上の観点から2024年のアメリカ経済の実質経済成長率は

1、メインシナリオは3%~3.5%

2、サブシナリオは3.5%~4%

3、リスクシナリオは2%~2.5%

このような予想して1年後に答え合わせ致します。

この上でS&P500とナスダック100の株価の具体的な予想に入ります。

2023年のS&P500の営業利益率は

1月~3月期は11.64%

4月~6月期は11.21%

7月~9月期は11.87%

と高い水準で安定し上昇傾向にあります。

コロナ禍前の平均の営業利益率は8%程度だったので如何に今のアメリカ企業が高い競争力を有しているかが分かります。

今のアメリカ企業の競争力や成長するポテンシャルは物価高騰でも金利高騰でも意に介さないほどの強さとなっていることの証となりますが来年のアメリカ企業には基本的な企業業績を押し上げる要因が加わります。

利下げによる金利低下により予想される

ドル安

です。

ドルの貿易相手国に対する加重平均となるドルインデックスが来年は利下げによる金利低下により低下して来ると予想されます。⬇️

画像

上記の⬆️ドルインデックスは目安として100を超えるとドル高となりますが、利上げによる金利高騰により歴史的で記録的な高さとなっており世界中に展開している巨大企業はドル高による為替差損が巨大となり業績を大きく押し下げており、企業業績に大きなハンデを抱えています。

日本に置き換えれば1ドル75ドル~80円くらいの円高が続いて来た状態であり、アメリカ企業は歴史的で記録的なドル高による巨額の為替差損を乗り越えた上で高い利益率を実現し企業業績を向上させて来たのです。

2024年は為替差損から為替差益へと企業業績を押し下げて来たドル高が是正されドル安により企業業績を押し上げる要因となって来ます。

これらを加味してS&P500とナスダック100の株価を具体的に考えて行きます。

1年前となる昨年の12月9日の実績EPSは

1、S&P500は205.13

2、ナスダック100は470.82

となっていました

直近12月8日の実績EPSは

1、S&P500は225.37

2、ナスダック100は567.36

過去1年の増益率は

1、S&P500は9.87%の増益(225.37÷205.13)

2、ナスダック100は20.5%の増益(567.36÷470.82)

となっており、これが来年の株価予想のベースラインとなります。

これ加えて

1、利下げによるドル安になり為替差益となる

2、金利低下により利払いが減り株価の理論値を算出するキャッシュフローが増えて株価の理論値が上がる

3、金利低下により株価の理論値を算出する際に用いる割引率の実質金利が低下し株価の理論値が上がる

これらを加味してS&P500とナスダック100の1年後の増益率を


1、S&P500は15%以上


2、ナスダック100は25%以上

と予想して来年の最高値の株価を算出して行きます。

1年後のS&P500とナスダック100の実績EPSは

1、S&P500は259.18(225.37×1.15)

2、ナスダック100は709.2(567.36×1.25)

と予想します。

次にS&P500とナスダック100の益回りは

1、S&P500は4%

2、ナスダック100は3%

と予想します。

前提としては来年末までには利下げによる金利低下により実質金利は自然利子率の0.5%程度に低下して行くとの予想となります。

S&P500とナスダック100の来年の最高値は

1、S&P500は6479.5(259.18÷4%)

2、ナスダック100は2万3640(709.2÷3%)


と来年の最高値を予想します。

金曜日のS&P500とナスダック100の終値からの上昇率は

1、S&P500は40.7%の上昇(6479.5÷4604.37)

2、ナスダック100は47%の上昇(2万3640÷1万6084.69)

と予想して1年後に答え合わせ致します。

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