融資態度と企業の資金需要




まずは大企業と中堅企業向け融資基準厳格化のデータと中小企業向け融資基準厳格化のデータと金融ストレス指数の3つのデータを見て行きます。⬇️

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上記からから⬆️

1、大企業と中堅企業向けの融資基準と中小企業向け融資基準は昨年半ばにピークアウトし、その後急低下している

2、大企業と中堅企業向け融資基準、中小企業向け融資基準のいずれもが昨年半ばにピークとなり高まったが金融ストレス指数はマイナスのままとなっていて資金繰りに窮する大企業、中堅企業、中小企業は、ほとんど無かった

3、足元で融資基準は厳しさは急激に無くなり、企業から見ると借りやすい金融環境にある

このように整理出来ます。

昨年半ばに融資基準は非常に厳しくはなっていましたが、金融ストレス指数は大幅なマイナスのままとなっていて、融資が厳格化されても資金繰りに窮する企業は中小企業に至るまでほとんど無かったと分かります。

金融の専門家の多くが銀行の企業への融資基準が厳格化していたことから貸し渋りや貸し剥がしが起きていて信用収縮となっているからリセッション入りは確実視されると予想していたのですが、その融資基準の厳格化を受けた結果となる金融ストレス指数は大幅なマイナスのままだったので私は貸し渋りや貸し剥がしなど起きてはおらず、信用収縮などあり得ないと分析し記事に書いて来ました。(金融ストレスがマイナスだとストレスは無いという意味となります)

一般的なプロの分析手法では銀行の企業への融資基準が厳格化されてくればリセッション入りは確実と判断して行くし、その分析自体は間違ってはいないのでが、かといって、それが全てではなく、やはりデータ分析は依存し過ぎると判断を間違う典型例かと思います。

仮に貸し渋りや貸し剥がしが起きていて信用収縮が起きている場合は金融ストレス指数は跳ね上がるので、金融ストレス指数まで見た上で総合的に判断しないと見誤るという典型例となっています。

また投資判断の視点、つまり投資の教科書としては銀行の融資基準の厳格化がピークアウトし、融資基準が甘くなって行くタイミングとは、景気に対して慎重な判断をしている銀行が融資基準を緩めて来たことから、遅くとも、このタイミングでは株式市場に積極的に投資して行くべきタイミングだった訳です。

次に大企業と中堅企業向け融資基準厳格化と中小企業向け融資基準厳格化の過去30年以上のデータを見て行きます。⬇️

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上記から⬆️

1、大企業と中堅企業向け融資基準厳格化と中小企業向け融資基準厳格化の昨年のピークの水準は過去のリセッション入りの水準と同様な水準まで上昇していた

2、金融ストレス指数は企業向け融資基準厳格化のピークでもマイナスのままでリセッション入りするような水準とは、程遠い

過去30年以上のデータを見ても融資基準厳格化の水準はリセッション入り時の水準にまで上昇していましたが、融資基準厳格化の受けた結果となる金融ストレス指数は過去のリセッション入り時とは程遠い水準でマイナスのままとなっていて、過去30年以上遡っても、やはりリセッション入りすることはあり得なかったと分かります。

融資基準厳格化のデータはリセッション入りを金融面から見るには適したデータとなりますが、それが通用しなかった局面だったと分かります。

企業への融資基準厳格化があり、その結果が金融ストレス指数として現れて来るので、そこまで念を入れたデータ分析が必要だった訳です。

私は最初から金融ストレス指数がマイナスのままならリセッション入りはあり得ないと指摘して来ましたが、そこまで深掘りして分析していれば予想出来た局面でした。

次に企業による資金需要のデータを見て行きます。⬇️

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上記から⬆️

1、大企業と中堅企業の資金需要も中小企業の資金需要も底打ちし急回復して来た

2、過去30年以上のデータから底打ちしているタイミングはリセッションから抜け出して経済が急回復して行く初期のタイミングとなっている

3、大企業と中堅企業向の資金需要も中小企業の資金需要む昨年前半に底打ちしており、株式市場への投資のタイミングとなっていた

と分かります。

過去のリセッション入りでも企業の資金需要が底打ちしたタイミングがリセッションから抜け出すタイミングとなっていて、株価の底打ちよりは少し遅いですが、株式市場への投資判断を慎重に見ていたとしても昨年前半には底打ちと判断出来たタイミングであり、少し遅い投資判断でも昨年前半には投資出来ていたと言えます。

昨年10月は既に昨年初めに底打ちしていたし、データから見ても昨年前半に投資判断出来ていたので昨年10月に投資していては既に上昇していたことから遅い判断だったと言えます。

昨年10月から投資していますという投資判断では既に出遅れたと告白していることになります。

現状では資金需要が急回復しているのでアメリカ経済は、かなりの強さとなって行くと言えます。

銀行は企業向け融資基準を緩めていて積極的に融資しようとしていて、企業は銀行から積極的に融資を受けようとしている

その結果として⬇️

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上記から⬆️

1、銀行の貸し出しは底打ちし急回復している

2、マネーサプライも底打ちし急回復している

となっていて、足元でアメリカ経済は急成長して行くタイミングに入っており、それを先取りして株式市場は過去最高値更新ラッシュとなっていて、しかも、まだ始まったばかりとなります。

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