雇用統計を受けて

 




まずは雇用統計の前日に発表された労働生産性から見て行きます。⬇️

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上記のように⬆️10月~12月期の労働生産性は3.2%と高く、4月~6月期、7月~9月期に続いて3四半期連続で3%を超える高い伸び率となり、賃金上昇を労働生産性の向上により吸収出来ている状態が続いており、賃金が上昇しても価格転嫁せずに利益率を維持出来ていることを意味しています。

その為、賃金上昇によるインフレは起きない状態にあり、雇用統計で高い賃金上昇となっていても賃金インフレとはならない状態なのです。

アメリカのハーバード大学の教授やノーベル経済学賞の経済学者、著名なシンクタンクの所長、ヘッジファンドなど、いつも私が読んでいる経済学者の、ほとんどは賃金インフレとはならないとの見方を示していました。

雇用統計が発表されて夢中で記事を書いて3指数揃って過去最高値更新で着地すると予想したあとに、それぞれの見解を読んで行ったのですが賃金インフレを懸念するような経済学者はいませんでした。

雇用統計で発表されるのは賃金上昇のデータとなりますが、賃金以外の臨時ボーナスや就職祝い金、継続労働祝い金など、様々な一時金や、その他福利厚生費を含む人件費全体のデータとなる単位労働コストを見て行くと⬇️

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上記のように⬆️単位労働コストは7月~9月期はマイナスの1.2%、10月~12月期も0.5のプラスと僅かな上昇にとどまり、人件費の上昇分を価格転嫁する必要が無い状態となっています。

賃金と、その他福利厚生費を含む人件費総額の上昇を労働生産性の向上により吸収出来ているので単位労働コストが上がっていないという関係性となります。

賃金上昇が賃金インフレとなってしまう状況にあるのはを表すデータが労働生産性と単位労働コストの関係となるので、賃金上昇が価格転嫁され賃金インフレになるような状態ではありませんというデータとなります。

この結果、労働分配率は⬇️

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上記のように⬆️労働分配率は7月~9月期、10月~12月期と2四半期連続でマイナスとなって低下しており、、賃金インフレとは真逆に労働分配率の低下はデフレ要因となるので賃金インフレ圧力ではなく、真逆にデフレ圧力となっているのです。

労働生産性の向上により労働分配率が下がると、企業の利益率は上がるので、価格を上げる必要が無く、むしろ値下げ余地が出て来るので、値下げが続出する状態にあります。

日本がまさに、この状態が長く続いて来てデフレ傾向となって来たので、今のアメリカは賃金インフレの可能性はなく、真逆に賃金デフレとなって行く可能性が高い状態にあるのです。

この辺りの理解が広がるのが今回は早かったので雇用統計の結果は雇用も増えて賃金も上昇し、良いこと尽くめとの見方から株式市場は3指数揃って爆上げとなり過去最高値更新となったと思います。

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