利上げ
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今年は、どのような結果になろうと利上げされ金利は上昇すると予想しています。
それを前提とした話となりますが、利上げによる金利上昇となると割安だしビジネスモデルが利上げに向くからと地銀が爆上げすることが、よくあるので投資は有望なのかを地銀のビジネスモデルから考えて行きます。
銀行のビジネスモデルは預金など短期の資金を貸し出しなど長期で運用し、その長短金利差により利鞘(りざや)を稼ぐビジネスモデルが銀行経営の基本となります。
その為、基本的な考えとしては利上げされて金利が上昇すると長短金利差が広がり、つまりは利鞘が増えて銀行の利益は増えて行くことから利上げによる金利上昇局面では銀行株が買われて上昇する傾向にあります。
しかし、これが地銀全般に当てはまるかと言えば、必ずしも、そうとは言えず、むしろ利鞘は縮小し、銀行経営は厳しさを増すというケースも普通にあるので注意が必要となります。
長短金利差を活用して利鞘を稼ぐのが銀行の基本的なビジネスモデルとなりますが、分かりやすいケースとしては逆イールド、つまり長短金利差逆転の状況では利鞘は減るので銀行の利益は減り、株価にはマイナスとなる訳です。
銀行のビジネスモデルを、より具体的に考えると
まずは資金調達となりますが、預金を中心として普通預金はいつでも引き出せる資金となるので金利は低く、つまりは短期資金なので金利は低く銀行は低い金利で資金を調達することが出来ます。
この短期資金を低金利で調達した銀行は貸し出しを主として運用しますが貸し出しは長期にわたる資金となるので金利は高くなり、低金利で調達した資金を長期に運用することにより長短金利差を活用して利鞘を稼ぐというビジネスモデルで利益を得ていく訳です。
逆イールドとは文字通り長短金利差が逆転しているので銀行のビジネスモデルが根幹から崩れることになり、銀行は貸せば貸すほど逆鞘が広がることから貸し渋りや貸し剥がしとなり、やがて信用収縮となり、リセッションになって行くという流れとなるので
逆イールドでリセッション‼️
というアメリカの騒動となっていた訳です
一般的には逆イールドとは10年債と2年債との長短金利差逆転を指して言われますが、実際に銀行のビジネスモデルに影響する逆イールドとは10年債と3ヶ月債との長短金利差逆転の時となり、実際には10年債と2年債との長短金利差逆転とリセッションには因果関係はなく、因果関係が出て来るのは10年債と3ヶ月債との長短金利差逆転の状況となります。
単純化すると銀行の調達コストは3ヶ月債程度となり運用利回りは10年債程度となるので10年債と3ヶ月債との長短金利差が逆転となると銀行は逆鞘に陥ることから貸し渋りや貸し剥がしが始まり信用収縮となり、やがてリセッション入りするとなって来た訳です。
過去の事例だと10年債と2年債との長短金利差逆転となっても10年債と3ヶ月債との長短金利差逆転とならなければリセッション入りせず、実際のリセッションとは10年債と3ヶ月債との長短金利差が逆転した後で平均して18ヶ月後に起きています。
パウエル議長も10年債と2年債との長短金利差逆転では何ら因果関係は無いと記者会見で一蹴していて我々が警戒しているのは10年債と3ヶ月債との長短金利差逆転であると語り、仮にこれが逆転すれば直ちに利下げして対応すると利上げ前の記者会見では語っていました。
実際には、その後、10年債と2年債との長短金利差逆転だけではなく10年債と3ヶ月債との長短金利差が逆転し、それを根拠としたリセッション騒動があり、私も、この見方からすればリセッション入りして行く因果関係となるので、自信が揺らいだのは確かですが、それでもリセッション入りは無いと見切ることが出来ていました。
理由は簡単でアメリカは企業も家計も歴史的な水準で借金が少なく、それでいて現金、預金は大量にあり、しかも借金の大半は固定金利だったので利上げされて金利が高騰しても、利払いは増えず、それでいて預金金利は上がるので、銀行による貸し渋りとなって行っても資金繰りに窮する事態とはならず、リセッション入りすることはあり得ないと見ていたのです。
アメリカは、このような理由から長短金利差逆転でもリセッション入りはしませんでしたが、銀行は利鞘次第となるので金利上昇により必ずしも利益が増えて株価が上がるとは限らない訳です。
さて地銀の話に入ります。
地銀の平均の預金に対する貸し出しの比率を意味する預貸率は70%程度となります。
例えば1兆円の預金があると、その70%の7000億円を貸していて、残る3000億円は主として国債を保有して運用し、一部は余剰資金の置き場として準備預金として日銀に預けるというイメージとなります。
この1兆円の調達コストと貸し出しや国債の長期で運用する利回りとの差が利鞘となり、いわゆる鞘抜き(さやぬき)となる訳ですが、平たく言えば銀行業とは鞘抜きビジネスとなるので一部のエリート層の中には銀行は下品な商売と蔑む層も存在しています。
単純化すれば利上げによる金利上昇の局面で地銀の鞘抜きのビジネスモデルが、より有効となって行くのかにあり、平たく言えば鞘抜きビジネスが、より儲かる状態となって行くのかが株価との関係となって行く訳です。
今の日本経済の環境だと利上げされても地方にある地銀は貸し出し金利を上げにくい環境にあり、つまりは鞘抜きはしにくくなり利鞘は縮小する可能性があります。
同じ地方にある地銀でも競争力のある地銀なら貸し出し金利を上げて行けても競争力の劣る地銀は貸し出し金利は上げにくく、それでいて利上げにより預金金利は上がるので資金調達コストは上がり、つまりは鞘抜きしにくくなり、利鞘が減ることになり、むしろ金利上昇により利益は減り株価にはマイナスとなって来る地銀も多く出そうなのです。
国債に目を移しても日銀は国債の金利が上がると政府の利払いが増えることや中小企業向け貸し出し金利が上がると地方経済への打撃となることもあり、特に10年債の金利上昇を抑えにかかるので市場に金利を全面的に委ねることにはならず、国債を適度に買いながら金利上昇を抑制し続けて行くと予想され、この点でも銀行は長期の運用利回りは稼ぎにくい状態となり利鞘が増えにくい環境となるのです。
更に地方の場合、高齢化が都市部よりも進むので相続された銀行預金が現役層の比率が高い都市部へと移されて行くことから中長期的に地方の地銀から資金が流出し続けて行く構図にあり、地方の地銀は、この流れに抗う為に預金金利を高めに設定することに迫られます。
これらの要因により地方にある地銀は
1、貸し出し金利は上がりにくい
2、国債の金利も上がりにくい
3、預金金利は高めに設定して行く
4、以上から利鞘は増えにくい
となって行くと予想され利上げによる金利上昇でも地方にある地銀には恩恵は少なく、投資には適さないと思えるのです。
一方で都市部にあるメガバンクは
1、貸し出し金利は競争力があるので上げやすい
2、地方からの資金流入が続くことから預金金利は抑制しやすい
3、利鞘拡大が期待出来る
という環境にあるのでメガバンクは利鞘を拡大しやすい環境が予想されるので利上げによる金利上昇の恩恵を受けやすく、投資にも適していると考えられるのです。
地銀でも都市部にあったり、競争力があるならメガバンク同様となるので投資には適していると思いますが、全体としては一部の地銀かなと思います。
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