在庫の需給バランス

  


私の記事はデータ分析と予想が中心で用語解説も交えながら進めてるので初めて株を取引する人でも直ぐに理解出来て予想は参考になると思います。

データの内容は個人投資家がほとんど見たことが無いか見ないデータが大量に出て来るので経済や株式市場、債券市場、ドル/円など誰でも詳しくなると思います。

経済学と金融理論、会計、マーケティング理論の知識をベースに記事を書いてます。

またニューヨークを拠点とした全米で上位1%に評価されているヘッジファンドの分析手法を参考にしてデータ分析し予想してます。

米国の経済学者やヘッジファンドの分析レポートも日々読んで参考にしてます。

この記事ではアメリカ企業が抱える在庫の需給バランスから経済の現状と物価の動向を考えて行きます。




まずは小売業の売上に対する在庫の比率から見て行きます。⬇️

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上記は⬆️売上に対する在庫の比率のデータとなります。

足元の売上なら在庫が無くなるまで、どのくらいかかるかのデータとなります。

現状では全ての在庫が無くなるまでには1.3ヶ月かかるという比率となり、単純化すると売上の1.3ヶ月分の在庫があるという状態となります。

小売業の在庫比率は低いので、それだけ生産性は高くなるのですが、少な過ぎると需給バランスが崩れて供給不足となり価格は上がりやすい状態を意味するので、少ないとも感じますが、横這いで安定して来たことからコロナ禍前より少ない在庫で適正化していると読み取れ、やはり、それだけ生産性が向上していると解釈した方が適切と言えそうです。

また、それだけ利益率が高い状態とも言えます。

逆に今後在庫が増えて来ると売上不振になり在庫が膨らんで来たと分かるので、小売業の現状は好調で生産性も高く、利益率も高い状態にあると分かります。

これを見ると小売業は非常に好調と言え、それだけ消費は好調と分かるデータとなります。

次に卸売業の在庫比率を見て行きます。⬇️

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上記は⬆️卸売業の在庫比率の現状となります。

卸売業の在庫比率は急上昇して1.4ヶ月程度まで積み上がり、コロナ禍前を上回っていたことから需給バランスが崩れて供給過剰となり、やや過剰在庫を抱えていた状態と分かります。

そのやや過剰在庫だった状態から過剰在庫の解消が進み1.34ヶ月まで減りコロナ禍前と同水準となって来たことから現状では在庫は適正化し価格を押し上げもしないし押し下げもしないという需給バランスと言えるので、このデータから見ても物価は順調に抑制されて来たと分かります。

最後に全ての企業の在庫比率を見て行きます。⬇️

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上記の⬆️全ての企業の在庫比率がコロナ禍では1.3ヶ月を下回り、供給不足となっていて物価を押し上げていると2021年には問題視されていました。

当時は、この在庫比率が1.3ヶ月に達して来ると物価は抑制されて来ると私も判断していたのですが、実際にモノの価格は急低下し、物価高騰は数ヶ月の短期的に終わりそうでしたが、ウクライナ危機となり、エネルギーや食料品価格が暴騰し幻の物価急低下となっていました。

現状は在庫比率は1.37ヶ月とコロナ禍前より低く、安定しているので過剰在庫でもなく在庫不足でもなく、非常に需給バランスは良い状態で今のアメリカ経済が好調であることが、このデータからも確認出来ます。

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